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背景美術制作


背景用美術の制作手順と実例(サンプル)

 
美術仕様
 
    まずは背景のイメージを書き出すことから始めます。どんな様式でも大丈夫でしょう。
 (「美術設定」「背景仕様書」等とも呼びます。)
・全体的にどういったイメージなのかざっくばらんに書き出します
・必ず配置したいオブジェクト等があれば忘れずに書いておきます
・その他に重視したいポイントなどを簡潔にまとめておきます
     
    ポイント とにかく制作現場に伝わることが大事。くだけた表現でOKなので気楽に思いの丈を書きましょう
     
▼サンプルの美術仕様書

「崖と山並み」
断崖から遠くの山並みが見える場所。点々と存在する里の様子が辛うじて一望できる。都もこの方向にあると言われているがその姿は確認できず。姫の行動範囲の中では最も都に近い場所で、都や里に暮らす人間たちに思いを馳せる場所となる。いつのものか分からぬ朽ちた楼だけが断崖に即して建っている。かつて人里から離れて暮らすことを夢見た某かの貴人の建てた物とも帝が山々の神を祭るために建てた物とも言われるが、今となっては不詳。
(地名候補)
御穂台(みさきのうてな);雲の海に向かって突き出している場所との意味で「御崎」つまり「岬」の意だとも、「見放く(みさく。遠く見渡す)」の意だとも。「穂」は飛び出して尖った物を指し、この岩の断崖の切り立ち具合を指すのかもしれない。名称は朽ちてしまった楼自体を指す名だとも考えられ、この場合には帝の御幸に先立って休憩所なりの目的で建設されたので「御先」だろうか。

・やや尖った形状の断崖が張り出した場所、森が途切れて見晴らしがよい場所です
(参考図では大きめの岩がちょっと突き出している程度ですが、実際にはちゃんと地面として)
・崖の付近に朽ちた古代の楼閣が残っています
(一応の時代設定が平安なので中国の隋や唐の時代の古い楼閣を参考にしています。ほとんど朽ちていますがちょっとした休憩所程度には使うことができる、という程度です。実際にみやこからお忍びでやってくるもののけから、この場所で笛のてほどきを受けるなどします)
・崖からの遠景にはけぶる山々が連なっていく様子がずっと見渡せます
(実際に人里は描きません。しかし「この方向にみやこというものがあるのですね」という設定の場所であり、姫が人間の暮らしぶりに思いを馳せる場所でもあります。他の場所に比べて空が広いので月齢や天候も明らかに観察されます)
・崖の後背はもちろん普通の樹林になっています
(「ドラえもん」の裏山の崖が近いイメージかもしれません)

・参考図では崖の部分がちょっとしかありませんが、実際には楼閣も起きますし後背の樹林も画面端には入ることになりますから、崖は画面中央にしっかりと地面として張り出しているのが好ましいです。
・楼閣が崖の先っちょの遠くにちょっと見えているという程度では飾りでしかなくなりますので、むしろ画面のメインが崖に向かって建つ朽ちた楼閣、という程度の捉え方で良いと思います。
(可能なら少し横長にしておき横PAN可能な画角にしておいてもらってはどうでしょうか。通常は崖と楼閣がメインで見えており、遥か遠方を思う時には崖の向こうの風景にPANして使い分けできますから)
・崖の上面の地面は草に覆われており、低木・潅木の茂みをいくつかお願いします
(平坦なだけの地面にするとあまりに何もない背景になってしまって展望台でしかなくなるので)

     
 
 
資料収集
 
   

美術仕様書を作るのと同時並行で、背景のイメージの素となる資料を集めます。
・webに掲載されている写真
・自分で撮影した写真
・カタログや写真集の抜粋
・素材集や背景画集
―――等を多岐にわたって用いますが、あくまでも個人的に参照するのに適した範囲に留め置きます。
何らかの媒体に発表されている写真や風景を“そのまま使う”ことは絶対にできませんが、
それぞれのオブジェクトや各部分の説明のために示すのに用いる限りは問題ないはずです。

     
    (※しばしば既存の写真資料等を“そのまま描き起こす”ことを要求されるクライアント樣もいらっしゃいますが、こちらではその写真の出所や権利について知るべくありませんから、資料作成者側でそれぞれの資料の出所に責任を持つ必要がありますね)
     
    ポイント 特に配置したいオブジェクト等がある場合、その写真を添付するだけでOK
ポイント どの写真のどういった部分を参考にすべきなのか印を付けるのはとても有効です
     
▼サンプルのために集めた資料の一式
webからの風景写真  7点
背景画集からの参考資料 4点
自筆の風景画 2点
自撮の風景写真 1点
映画からのキャプチャ画像 3点
  計 17点
     
 
 
レイアウト または ラフ画
 
   

ここでの「レイアウト」「ラフ画」は、あくまでも――
・おおよそどういう内容を
・どのような見え方で
・どの程度の範囲と角度で
――これらが視覚的に確認できるだけの、最も粗い設計図です。
先ほどの美術仕様書の内容を踏まえて、絵にしたらどういうことかを示すものです。
大事なのは、綺麗な背景画であることではありません。
おおまかな見え方やオブジェクトの配置が制作者に伝わることが重要です。
ですので、○や□で描いて、それぞれに矢印して文字で説明するのでも十分でしょう。
特に重要なのは、“出来上がりをイメージできていること”です。

     
    ポイント どんなに下手な絵だって大丈夫! 何よりも伝わることが大切です
ポイント 伝わるかどうか不安な部分にはどんどんと文字で書き込みましょう
     
▼サンプルのレイアウト
レイアウト
 
▼サンプルのレイアウト(文字の書き込み)
レイアウト書き込み
     
 
 
原図
 
    美術仕様・レイアウトを読み解き、資料を見ながら「原図」を描き起こします。
原図は、これをトレースして着彩しますので、そのまま背景画になります。
配置されたオブジェクトや描き込み等も原図の通りになります。
しかし、「原図」は、“塗り絵の線画ではありません”。
あくまでも、出来上がる背景画の下地になるだけのラフ画ですから、
整線やペン入れは行いませんし、その必要もありません。
     
    ポイント 画面をパンやスクロールしたい場合にはシートを分けるようにしますので、予め教えて下さい
ポイント シートを分けることを「ブック」と言います
ポイント ブックにした場合でも各シートをきちんと製作しますので、少し余計に予算がかかる場合もあります
     
▼サンプルの原図(シート1)
原図1
 

▼サンプルの原図(シート2)

原図2
 
▼サンプルの原図(シート1+2合成)
原図合成
     
 
 
着彩
 
    「原図」を基に、これをトレースしながら着彩します。
主に用いられるのは、鉛筆とポスターカラー(不透明水彩)です。
アナログの風合いの生きた、色に深みのある背景画となります。
     
    ポイント アナログペイントには幾つかの“流派”のようなものがあります
ポイント フラット(平板)、マット(光沢を抑える)、ディフォルメ/精細等、必ず事前に打ち合わせましょう
     
▼サンプルの着彩(シート2)
着彩シート2
 
▼サンプルの着彩(シート3)
着彩シート3
 
▼サンプルの着彩(シート1+2+3合成)
着彩合成
※ここでのシート1(最下層)は一面に夜の星空を描いたものです
     
 
 
第1次デジタル加工(補正/修整)
 
    一般に、着彩されたものをスキャニングし簡単に合成するまでが着彩マンの納品データになります。
しかし、その状態では、上手に「抜き」になっていない箇所や、色合いの不整合が起こります。
ですので、必ずデジタル補正を行ってやる必要があります。
・「抜き」箇所周辺の余白や汚れ(ジャギ)を取り除きます
・各シートの色合いを補正し1枚の背景画としてまとめます
・アナログ作業上で生じた歪みなどが綺麗に見えるよう直線化などを施します
・傷や不適当な色むら・にじみを修整します
・スキャニング時の角度のズレを補正します
・RGBに最適化し色深度や色温度を一定に保ちます
     
    ポイント 特に指定がない限りは一般的sRBG視聴環境で調整するようにしています
ポイント 色温度や全体的色調を○色系に寄せるといった調整も行っています
     
▼サンプルの第1次デジタル加工
デジタル加工
※シート3の角度の補正、シート2を山の稜線に沿って切断、シート3内容のジャギ除去、シート3内容の色合補正
 
▼色合の調整とジャギ除去の実例1 (角度も補正されています)
デジタル加工01
 
▼色合の調整とジャギ除去の実例2
デジタル加工02
     
 
 
第2次デジタル加工
 
    第1次デジタル加工の段階で納品となるのが一般的ですが、それ以上の加工も可能です。
アナログではどうしても出すことのできない精細な部分をデジタル作業でブラッシュアップすることによって、
背景画は、さらに細緻な立体感や存在感を持つ場合があります。
また、この段階で、存在しないオブジェクトを新たに多数描き込むこともできます。
そして、それらデジタル描画のデータは全てレイヤーを別にして作業することより、
切り替え用/差分用のデータとして使うこともできます。
     
    ポイント この作業は標準的なブラッシュアップと、新規オブジェクトの追加とに分かれます
ポイント 新規オブジェクトの追加は、当然ながら、オブジェクトの量に応じて予算が変わります
     
▼サンプルの第2次デジタル加工 (上は作業前・下は作業後)
デジタル加工
デジタルブラッシュアップ前↑と、ブラッシュアップ後↓を見比べて下さい
デジタルブラッシュアップ
画像をクリックすると別窓で大きな画像を表示します
     
 
 
デジタル加工 実例集
 
    デジタル加工では、様々なブラッシュアップやオブジェクトの追加を行います。
それらの部分はデジタル加工ならではの、別レイヤーでの提供が可能です。
     
    ポイント さらに、加工部分のエフェクトアニメーションも提供できます(草が揺れる、水面が揺れる、等)
     
▼水面生成・デジタルブラッシュアップ・オブジェクト追加の実例
 (上は元画像、中は第1次デジタル加工と水面生成、下はデジタルブラッシュアップおよびオブジェクト追加)
沼01
画像をクリックすると別窓で大きな画像を表示します
沼02
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沼03
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▼デジタルブラッシュアップ・オブジェクト追加の実例
 (上は元画像、下は第1次デジタル加工とデジタルブラッシュアップおよびオブジェクト追加)
森01
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森02
画像をクリックすると別窓で大きな画像を表示します
 
 
 
時間帯差分
 
    ゲーム・ドラマの進行に伴って必要であれば、時間帯が異なる同じ場所の背景を作成します。
一般的には、「正午・晴」の画像を元にして、「夕方」「夜」といったバリエーションを加工します。
また、「春夏秋冬」のバリエーションや、「曇」「雨」「雪」といった天候のバリエーション、
「消灯後」や「シャッターが下りた深夜の商店街」、「破壊された町」、
あるいは、「カーテンを開ける/閉める」など、様々なバリエーションを加工します。
     
    (※元画像を流用するデジタル加工ではなく、各バリエーションを個別に制作することもできます。その場合でも美術設定や基本のラフ画は共用することができますが、デジタル加工のように厳密な同一画面にはならない場合がありますのでご了承下さい)
     
    ポイントデザインの時点から、必要となるバリエーション内容が分かっているとスムーズです
ポイントバリエーションに応じた「雨」「雪」「雲」「雷」等のエフェクトアニメーションの提供も可能です
     
▼時間帯差分の実例:屋外 (上は昼、下は夕方)
昼間01
 
夕方01
 
▼時間帯差分の実例:屋内 (上は昼、下は夕方)
昼間02
 
夕方02
     
 
 
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その他のデジタル加工 実例集
 
    編集中(近日追加)
     
 
 
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その他のサンプル
 
    以下は、幻夢騎作品で制作した美術背景サンプルになります。
     
    (※商業請負で制作しクライアント樣に権利のあるものについてはここには一切掲載いたしません。ただし、個別にお問い合わせ頂いた限りにおいては、これまでの制作案件の各ケースのサンプルを(クライアント樣の関係上でサンプルに供するに限って適切/可能なものに限り)提供いたします)
     
サンプル01
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サンプル02
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サンプル03
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サンプル04
画像をクリックすると別窓で大きな画像を表示します
 
サンプル05
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サンプル6
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サンプル07
画像をクリックすると別窓で大きな画像を表示します
 
サンプル08
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デジタル修正例まとめてダウンロード
(20例 40枚 12MB)
 
 
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Q&A

 
    以下は、背景美術制作に関するQ&A(質問と回答)です。
ここに掲載のない内容は、どんな些細なことでも結構ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
問い合わせ先 → こちらをご参照下さい
     
    (※実際の作業に際しては、MS系メッセンジャーやSkype、LINE(ビデオ・ボイスチャット可)等に対応しております
     
    Q.同人ソフトですが背景美術の制作は可能ですか?
A.当然ながら可能です。むしろ喜んで承りますし、制作現場一同、できる限りに同人制作/自主制作を応援したいと考えていますので、予算的な部分に関しても、その範囲内で可能なように、できるだけの努力をしたいと思っています。

Q.エフェクトアニメーションデータはどのような形式で提供が可能ですか?
A.水面のアニメーションや空の雲が動くようなアニメーションに関しても提供可能です。ループに対応できるケースもございます。データ形式は、PNG他の静止画シーケンスの他、Flashムービー形式(swfやflv)や各種動画形式(AVI、ogg、mp4ほか)での提供が可能です。

Q.無償の案件で背景美術制作は可能ですか?
A.誠に申し訳ございませんが、現役プロによる制作である以上、制作時点で対価を頂戴したいと考えています。しかし、部分部分での作業に関しては、無償の案件でも進んでお力になれる部分があると思います。主にデジタル補正や資料の提供または技術指導やアドバイスに関しては原則として無償でもご協力させて頂きたいと考えていますので、ざっくばらんにお問い合わせ下さい。

Q.3Dや写真はお願いできますか? それらを使いますか?
A.弊社の美術制作はあくまでも2Dでの完成データを納品するものです。そのため、3Dモデリングデータやそのレンダリングデータ、または任意の写真撮影のご依頼や写真・スケッチ類の提供はお断りしております。
また、制作過程において3Dや写真素材は利用いたしますが、制作の途中経過として生じた3Dデータや写真データの提供・提示は原則として行いません。特に弊社が利用する写真の多くは独自に撮影し、または弊社にライセンスされたロイヤリティフリー素材ですので、これら素材写真の提供は厳にお断りしております。

Q.ずばり、発注費用は幾らですか?
A.提示される資料&求められる作業段階に応じて異なりますので、まずはご予算のご呈示を!

弊社でお請けする制作・作業は以下のように細分化されて考えられます。

・美術設定および資料収集を含む美術設定
・原図のみの提供
・原図から着彩提供(アナログのみ、デジタルのみ、アナログ&デジタル)

・第1次デジタル加工(アナログ着彩内容の傷・ゆがみ・汚れの補正、色彩の調整ほか)
・第2次デジタル加工(オブジェクトの追加、水面・水流、煙・湯気、火炎などの表現追加ほか)
・時間帯差分の作成

一度にご発注の点数/自主制作か商業案件か/背景画+イベント背景か、等によって変動します。
予算に合わせて作成・作業することが大前提となります。安価でも十分に可能です。
とにかく「幅」があります。担当する作業によって幅があって当然のことだと考えています。

ですので、まずはお気軽にご相談を頂くことが第一歩です。

同人案件などには、スタッフ一同、できる限りのご協力をしたいと考えています!

 Q.アナログで描いた現物はもらえますか?
A.もちろんアナログ素材の提供も行います。ただし、アナログ素材には、スキャン時/郵送時の傷・折れが入っていることが多いので、この点は保証外です、ご了承下さい。また、郵送の実費はご負担頂けるようにお願いしております。

 Q.「買い取り」ですか? 「使用許諾」ですか?
A.基本的に「買い取り」に応じております。クライアント樣(同人であろうが商業であろうが)にデータを提供した時点で、あとはどのように使って頂いても構いませんし、加工/修正/改造その他の使用内容については、制作者の許諾を必要としません。ただし、あくまでも、作成時にご指定の作品内の背景美術として使って頂くことが前提です。
例外として直接関係するシリーズ作品内での使用に関しては許諾いたしますが、他の作品への「使い回し」、背景美術そのものを商品/作品として販売または他者に委譲する行為(改編の有無に関係なく別クライアントへ納品販売する行為)に関してはお断りしております。 (一次クライアント樣の実際に制作公開される作品での使用に限って許諾する形です)

 Q.先払いが必要ですか? また、売上分配での支払いは可能ですか?
A.先払いはまったく必要ありません。あくまでも、出来上がって納品OKとして下さった背景にだけ、出来高で支払って下さい。
逆に、作品完成および発売時の利益の分配のみを支払に充てるケースには応じかねます。あくまでも出来上がった背景美術に対しての対価を頂戴しております。


Q.スタッフロールへの記述は必要ですか?

A.原則として、必ずしも必要ではありません。作業は何段階にも分かれ、我々が提供できるのは、それぞれの段階における技術力と労力です。ですので、最終的に“その背景美術を作ったのは誰なのか”といった表記にこだわることはありません。
クライアント樣が表示される背景美術スタッフの表記に異論を申し上げることはありません。

Q.リテイクや調整について別料金は?
A.原則として、「イメージしているのはそうじゃない」「指示内容と違いと思う」といったリテイクについては、納得して頂けるまでひたすらに努力して(当然ながら無償で)対応いたします。
ただし、途中で指示内容が変わった場合/必要に応じて指示内容を変更される場合に関しては、一定の手数料を承った上で、そのご要望に応じます―――そのような可能性もあるでしょうし、心理的に何ら疑問なく応じます。とにかくお気軽に「こうじゃないんだけどナー」とご意見をお寄せ下さい。

※指示内容の明らかな変更やキャンセルについては、別途一律5,000円の調整料金を申し受けております。
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   



 
 

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